2004/03 しまなみ海道 - 2日目後編

2日目の後編、生口(いくち)島から今治までです。


生口島に入って3Kmほど走ると 「ドルチェ」 があります。 地元素材を使ったジェラート/シャーベットの店です。 ここでちょっと休憩、レモンシャーベットとイミゴミルクを食べました。 外が寒くても店内は暖房が効いていて問題なしです。


「しまなみ海道」 沿いでは柑橘類の生産が盛んですが、生口島の瀬戸田町はレモンで有名です。 生産量全国一だそうで、道路沿いでもレモンがたわわに実っているのを見掛けました。 他の柑橘類を含め、黄色や橙色に色付いた実が沢山なっているので、 緑一色の夏場よりも華やかに見えると思います。


瀬戸田の有名観光地、 「耕三寺(こうさんじ)」 です。 団体のツアーコースにも組み込まれているようで、この付近には観光客が沢山歩いていました。 なので、人が減るのを待って門の前から写真を撮っただけで、あっさりと通過しました。 しっかし、派手ですねえ。


「耕三寺」 の前の道を海側に向かって進むと、 商店街が途切れたところで写真のような良い雰囲気の街並みになります。 ここまで来ると観光客も少なく、静かになります。


昼食は 「あなご・たこ料理 わか葉」 で食べました。 「耕三寺」 の前から繋がる商店街の中にります。 有名な 「あなごの箱寿司」 にしましたが、 酢飯に味が付けてあって、それが穴子と合っていてとても美味しかったです。


瀬戸田町内にはあちらこちらに野外彫刻が置かれていました。 「島ごと美術館」 というもので、17点の作品は展示されているそうです。 写真は西側の海岸に設置されていた 「波の翼(新宮 普)」 です。 強い風を受けてぱたぱたと動いていました。


次の 「多々羅(たたら)大橋」 に向かって登る途中に動物注意の標識がありました。 絵柄は猪です。 この辺に出没するのでしょうか? そんな雰囲気の場所ではないのですが...

それより注意が必要なのは路面に落ちている蜜柑です。 蜜柑といっても夏柑や八朔のような大きなものがゴロゴロと落ちていました。 収穫したものを運ぶトラックが横切る時に落としていったものらしいです。 ここだけで数十個が落ちていました。


「生口橋」 から15Kmほどで 「多々羅(たたら)大橋」 です。 「生口橋」 に続いて斜張橋ですが、はるかにスケールが大きいです。 斜張橋としては世界最長で全長1480mです。 塔の高さは226mもあります。 この橋も車道の両脇に原付道(北西側)と自転車・歩行者道(南東側)があります。 「生口橋」 と違い、橋を吊るケーブルの外側に自転車・歩行者道があるため、 風景が見易く、解放的で気持ち良い橋です。 通行料金は100円です。

この橋を通行中に雪がちらつきました。 路面が濡れるほどではなかったのですが、天気予報通りに雪が降ってしまいました。 それに、右斜め前から吹き付ける風も冷たかった!


大三島(おおみしま)は大きな島ですが、 「しまなみ海道」 は東海岸をさらっと通過してしまいます。 5Kmほど走っただけで 「大三島橋」 に着いてしまいます。 ただし、橋の手前1Kmほどの区間は細い山道のようになっていました。 昔からの車道のようで、自転車専用の道と違って、結構な急坂もありました。

この 「大三島橋」 の手前で再び雪が降り出しました。 今度は本格的で、すぐに路面が完全に濡れた状態になってしまいました。 そのまま走るのは辛かったので、 「大三島橋」 の手前で橋の下をくぐる箇所で様子を見ることにしました。


その雪も10分ほどで通り過ぎ、再び陽が射してきました。 早速、走行を再開し、「大三島橋」 を渡りました。 「大三島橋」 は1979年に完成した本四連絡橋の中では最も古い橋です。 そして、本四連絡橋の中で唯一のアーチ橋です。 この橋では中央から北側の半分が車道に使われていて、 南側の中央寄りが原付、自転車、歩行者用になっていました。 南側の端は立入禁止になっているので、橋から海峡を見下ろすことはできませんでした。 なぜこうなっているのか判らないのですが、ちょっと残念な作りでした。 全長は297m、通行料金は50円です。


大三島からは愛媛県に入っています。 県が変わったことで自転車道の様子も少し変わりました。 路上に描かれているコース表示が大きく目立つようになりました。 歩道と車道の段差がほとんど無くなり走り易くなりました。 全般的に愛媛県側のほうが整備状況が良くて走り易いです。 ただ、走っていて楽しいかというと、それはちょっと別なようです。 風景や雰囲気といった点では逆な感に感じてしまいました。


伯方(はかた)島も 「しまなみ海道」 はさらっと通過してしまいます。 5Kmほど走っただけで 「伯方・大島大橋」 に着いてしまいます。 その間、風景の綺麗なところは無かったと思います。 ほとんど記憶に残っていません。 途中の道の駅に 「塩アイス」 があったはずですが、 雪に合ったばかりで寒かったので、すっかり忘れて通過してしまいました。


「伯方・大島大橋」 は正確には 「伯方橋」 と 「大島大橋」 の2つの橋が連続したものです。 目立つ吊橋が 「大島大橋」 です。 路面の区切り方は大三島橋と同じで、柵があって端まで行くことができません。 2つ合わせた全長は1230m、通行料金は50円です。


大島は北側が宮窪町、南側が吉海町になっています。 ここは 「大島石」 と呼ばれる高級な青御影石の産地です。 建築物では国会議事堂や赤坂離宮で使われているそうです。 また、墓石としては最高級品なのだそうです。 そのためか、宮窪町の各種の案内板は石で出来たものが多くありました。

大島では自転車道は島を縦断するコースになっています。 海沿いを走るのは最初の少しだけで、後は山越えの道になります。 山越えといっても最高地点が70mほどで、坂としてはたいしたことはありません。 しかし、この山越えの区間は 「西瀬戸自動車道」 が開通していないので、 島を通過する車も同じコースを走ることになります。 大型車の比率も高いので、気持ちよく走れる道ではありませんでした。 道路(歩道)の整備状態は良かったのですが...


だいぶ陽が傾いた頃、最後の 「来島海峡大橋」 に着きました。 3連の吊橋で、全長は4105mという長大なものです。 海面からの高さも70mを越えていて、GPSの記録ではこの日の全コース中の最高地点になりました。 通行料金は200円です。

ほとんど正面から吹き付ける強烈な向かい風に逆らいつつ、30分ほど掛けて渡り切りました。 ちょうど日没時だったので、橋の上から刻々と変化する空を見ながら走りました。 とても寒かったけれど、非常に美しい風景を堪能でき、最高でした。

夕食は今治市街まで戻る途中の 「伊豫水軍」 で食べました。 海鮮中心の和食レストランで、比較的大きな店です。 土曜の晩ということで家族連れなどで混雑していました。 地元ではなかなか人気があるようです。 味のほうはそこそでしたが。


この日の走行距離は約75Kmでした。 距離はあまり長くありませんが、向かい風と雪に悩まされ、思いのほか疲れました。

《この地図は国土地理院の数値地図25000(地図画像)を カシミール3D+山旅倶楽部で表示したものを加工して作成したものです》