2004/03 しまなみ海道 - 1日目

1日目は松山空港から今治(いまばり)までです。 空港から今治へ直行すれば約45Km、3時間ほどで着いてしまいますが、 それでは着くのが早過ぎてしまうので、 松山の市街に少し寄り道してから向かうことにしました。


松山空港のターミナルビルを出てすぐの歩道で輪行解除しました。 良く晴れていたため陽射しが強く、走行の準備をするだけで汗ばむほどでした。 防寒の衣類を全て仕舞い込んだため、荷物はパンパンにふくらんでしまいましたが、 身軽な服装で走れるのは気持ちよかったです。 早速、松山市街に向かいました。

松山空港は市街近くにあり、中心部まで5Kmほどしかありません。 道も良いので、自転車でもすぐに着いてしまいます。


松山市街の中心には 「松山城跡」 があり、その南西側にはお掘りが残っています。 そのお掘り沿いに植えられている梅はちょうど満開になっていました。


「松山城跡」 の北東側にある 「東雲神社」 の入口では桜が満開になっていました。 種類は判りませんが、ソメイヨシノより少し色が濃い花でゴージャスな感じでした。 本当に春爛漫という感じで、のんびりと走るのがとても気持ち良い一日になりました。


松山市街には路面電車が走っています。 伊予鉄道(略称:いよてつ)の市内線です。 かなり頻繁に運行されているようで、多くの電車が走っているのを見掛けました。 この路面電車についての情報は伊予鉄道のページより、Shi-Mamutaさんの 「四国電車通り/伊予鉄道松山市内線」 が詳しいです。


市内線には電車だけでなく蒸気機関車が引く列車が走っていてびっくりさせられます。 本当の蒸気機関車ではなくディーゼルなのですが、外観は蒸気機関車そのものです。 初めて見た時、客車から梯子のような謎の装置(写真の矢印)が立ち上がっていたのですが、 これは信号を操作するためのものだそうです。 乗車することもできる(300円)のですが、 明治時代の列車をかなり忠実に再現したらしく、 車内はマッチ箱と形容されるにふさわしい狭さ、シートは木製のクッション無しで、 乗り心地は悪いそうです。


市内線の道後温泉駅です。 伊予鉄道の100周年事業のひとつとして、 創建時の姿を可能な限りとどめ明治の雰囲気そのままに復元したものだそうです。 かなり細かな所まで復元してあり、なかなか良い雰囲気を演出しています。 写真の右手が駅前広場になっていて、 その前から 「道後温泉本館」 までアーケードが続いています。


道後温泉駅の駅前に足湯がありました。 ベンチ(4箇所)に座って足を温泉に入れるスタイルで、無料です。


「道後温泉本館」 は明治27年に建てられた木造3階建ての共同浴場で、 国の重要文化財に指定されています。 写真では良く判らないと思いますが、本当に大きいです。 有名なだけあってひっきりなしに人が出入りしていて、かなり混んでいるようでした。 この日は今治まで走らなければならなかったので、一周して外から見ただけにしました。


今治までの補給食として 「労研饅頭(ろうけんまんとう)」 を買いました。 饅頭というより蒸しパンという感じで、ほんのりとした甘味で飽きの来ない美味しさです。 バリエーション豊富で、餡入り7種と餡無し7種があり、買う時に迷います。


松山市内には色々と見所があって本格的にポタリングをしたくなる街ですが、 歩道が自転車で走り易いのも良かったです。 比較的広くて車道との間に段差がほとんどありません。 全てがそうなのかは判りませんが、私が走った範囲はとても走り易く感じました。


松山市街の寄り道は以上で終わりにして今治に向かいました。 主に国道196号線を北上したのですが、 より海沿いを走れるところではなるべく海沿いを通るようなコースで進みました。

《この地図は国土地理院の数値地図25000(地図画像)を カシミール3D+山旅倶楽部で表示したものを加工して作成したものです》


国道196号線は堀江町の北から海沿いを進みます。 といっても海が見える箇所はあまり多くありません。 写真の箇所が最初に海を見ながら走れる区間です。 山が海に迫っているため国道とJR予讃線が並行して海岸を通っています。 この区間は海側に歩道があり、海を見ながらのんびり走ることができました。


国道196号線は交通量が多く大型車の比率も高いようで、 自転車で走り易い道ではありませんでした。 そうなると歩道を走りたいところですが、整備状況はまちまちで、 無かったり有っても自転車では走れない箇所も多くありました。 そこで並行して旧道や裏道がありそうな所では、なるべくそちらを回るようにしました。 多少、遠回りになりましたが、快適に走ることができました。


並行して走るJR予讃線は1時間に1〜2本の普通電車が走っています。 それを利用すると、松山〜今治間は1時間15分ほどです。 通常は写真にような2輛編成ですが、中には1輛だけというのもありました。 なかなか長閑な感じで走っていました。


松山から3時間半ほどかけて今治に到着しました。 午後6時を過ぎて暗くなっていたので、早速、ホテルに向かいました。 この日の走行距離は約63Kmでした。

今回利用したホテルは 「ホテル菊水今治」 です。 今治の桟橋の近くにあり、 船便やしまなみ海道のバス(駅でなく桟橋が始発です)を利用するのに便利です。 駅からは離れているので、鉄道の利用はちょっと不便です。


ホテル菊水今治の客室の客室は最近のビジネスホテルよりは少し広い感じです。 ちょっと古い感じですが、それが却って便利だったりします。 ドアはオートロックでないので、自転車のような大きな荷物の出し入れが楽でした。 外出中も電気が切れないので、バッテリーの充電ができて便利でした。 設備も更新されていて、トイレは洗浄機付きだし、 シャワーはサーモスタット付きで快適に利用できました。 禁煙室も用意されていて、今回、利用しました。 部屋によってはインターネット接続用のLANのコンセントもあるそうです。 なかなかリーズナブルで良いホテルだと思います。

夜は今治名物の焼き鳥を食べに行きました。 お店は 「鳥林(とりばやし)」 です。 外からはあまり繁盛しているようには見えませんでしたが、 入ってみると、ほとんど満席になっていました。 今治の焼き鳥は鉄板で焼くのが特徴です。 皮焼、れんこん、ネギなどを食べましたが、 鉄板で焼くということから想像したほど脂っこくなくて美味しかったです。 ちなみに、皮焼は東京で食べる焼き鳥の鳥皮とは全く別のものです。 皮だけでなく身も付いていてコリコリした食感です。 串に刺していなくて、皿に盛られて出されます。 とっても癖になる味でお代りしてしまいました。 値段も安くて、1皿(3串相当)で250円でした。

夕食からホテルに戻った後の午後10時半ごろ、 寒冷前線の通過に伴いかなり強い雨が降り、強烈な風が吹き荒れました。 これが夜で良かったと思う半面、明日からの天気は大丈夫かと心配しつつ就寝したのでした。