2005/07 北海道 霧多布 - 4日目

4日目は浜中町の内陸部、酪農地帯をメインに走ることにしました。 ちょっと天気が良くなかったのですが、海岸部とは全く違う風景が広がっていて、 しっかり楽しむことができました。


4日目の朝は霧が濃くて湿原は全く見えませんでした。 前夜からずっと霧が出たままだったようです。


この日の朝食も連泊者バージョンでした。 この日も8時に出発できるように、7時に朝食を用意してもらいました。


この日は内陸部をメインに走る予定ですが、 霧多布湿原にある木道のうち海側にあるものを見ていなかったので、そこに寄ることにしました。 霧が濃くても木道で花を見るのは問題ないですからね。 最初は 「奥琵琶瀬野鳥公園」 の木道に行きました。


ここは木道の先端まで行くと干潟を間近に見ることができます。 運が良ければここで丹頂鶴を見ることができるそうですが、 この時には、他の鳥を含めて、何も来ていませんでした。 木道の周辺の花の写真を撮るだけになりました。


次に 「琵琶瀬木道」 に行きました。 ここは道道123号線から湿原に向かって長い(400mほど)木道が延びています。 ここの先端まで行くと、湿原の中を流れる 「泥川(固有名詞)」 を間近に見ることができます。 その川の近くでは湿地を好む 「ノハナショウブ」 が沢山咲いていました。


「エゾカンゾウ」 も 「クシロハナシノブ」 も、季節的に終わりの頃だったので、 綺麗に咲いているのはありませんでした。


思ったほど花はなかったのですが、草に朝露が付いたのが、なかなか綺麗でした。


「琵琶瀬木道」 を見た後はMGロードを経由して浜中町の内陸部に向かいました。 「琵琶瀬木道」 を出発するころから霧が霧雨に変わっていました。 霧雨なので雨具を着ないで走っていたのですが、だんだん雨粒が大きくなってしまい、 茶内駅に着いた時に駅舎を借りて雨具を着込みました。


茶内駅前は思っていたより栄えていて、 駅と国道44号線の間、約1Kmの間に商店や民家が並んでいました。


茶内からは北上したのですが、 国道44号線は車(特に大型車)の通行が多いので避けて、 その先にあった農道、西三線を通ることにしました。 この農道は牧草地の中を通っていて長さ3.8Kmほどあったのですが、 完全に真直な北海道らしい道でした。 車の通行は非常に少なく(3.8Kmで1台とすれ違っただけ)、 とても気持ち良く走れる道でした。


牧草地の一部では牛の放牧が行われていました。 写真を撮ろうと思って自転車を止めると、 付近にいる全ての牛が草を喰むのを止めてこちらに注目してきました。 そんなに気になるものなのでしょうか?

この農道の終点近くまで来ると雨は降っていませんでした。 路面が全く濡れていなかったので、止んだのではなく降らなかったようです。


西三線の農道が終わった後も国道に出るのではなく裏道を走ろうと思ったのですが、 ダートばかりだったので、しかたなく国道44号線を走ることにしました。 ちなみに、この写真の付近の地名は 「熊牛原野」 という、なかなか凄い名前で、 国道44号線は8.5Kmほどの直線になっています。


昼食は国道44号線沿いにある 「ファームデザインズ」 で食べました。 酪農家直営のレストランです。 完全に観光客向けかと思ったのですが、 入店した時(午後1時ごろ)には客のほとんどが地元の人だったようです。 男性はスーツ姿ばかりで、ちょっと変な感じでしたが、 この付近で食事ができる所は限られるので、 外回りの仕事をしている人が寄るのは当然なのでした。


ここでは 「カンザスディッシュ」 と 「アイスラテ」 を食べました。 「カンザスディッシュ」 は御飯にステーキを載せたものです。 脂の少ない肉だったのですが、意外に軟らかく、美味しく食べられました。 冷めると硬くなるので、急いで食べるのが良いようです。 ここは牛乳やソフトクリームが美味しいので有名だったのですが、 この食事だけで満腹になったので、今回は止めておきました。


昼食後は国道44号線の東側を通って霧多布方面に戻ることにしました。 「ファームデザインズ」 のすぐ横から始まっていた北十三号の農道は綺麗に舗装された道だったので、 そこを走ってみました。 この道も北海道らしく完全な直線で約2.8Kmありました。 最後は浜中と姉別を結ぶ道に突き当たったので、右折して浜中方面に進みました。


この日に走った農道でも、道端で色々な花を見掛けました。


農道を走っている時に牧草地に 「エゾシカ」 がいるのを見付けました。 ちゃっかりと牧草を食べていたようです。 かなり離れていたのですが、カメラを向けると警戒して、食べるのを止めてしまいました。


浜中駅まで数Kmのところでは馬の放牧も行われていました。

この付近では霧が出てきました。 まだ台地の上ですが、海が近くなり、影響を受けるようになったみたいです。


浜中駅の駅舎は茶内駅よりも少し立派でした。 しかし、駅前は茶内駅よりも寂れた感じでした。 私が駅前にいた時に釧路行きの列車が来たのですが、 誰も乗り降りしませんでした。


浜中からは道道123号線で霧多布に向かいました。 道道123号線は浜中駅から数Kmのところで台地の端に到達し、海岸に向けて下ります。 その坂の付近からは霧が濃くなり、100mほど先までしか見えなくなりました。 晴れていれば坂の上から霧多布湿原を展望できるはずでしたが、 全く見えない状況でした。


坂を下ると榊町で、そこから道道123号線は霧多布湿原(右)と海(左)の間を通るのですが、 海からの霧であたりは真っ白でした。 気温も低くて、アメダスの記録によると、7月下旬なのに15度以下だったようです。


宿に戻る前に霧多布の市街に寄りました。 その時、漁港に沢山の電球を付けた漁船が停泊しているのを見掛けました。 十数個の裸電球を一列に並べて付けてあるアーム状のものとか、 サーチライトのようなものとかを装備していました。 後で知ったのですが、これは秋刀魚漁の船でした。 ちなみに、秋刀魚漁はちょうど解禁されたばかりで、 本来であれば初物の刺身などを食べることができた時期なのですが、 海が荒れていて、まだ一度も漁に出ていなかったそうです。 秋刀魚漁の漁火は宿から見えるそうです。

この日の走行距離は約62Kmでした。

この日は少し早目に宿に引き上げました。 実は、台風が向かって来ていて、夜から雨、翌日は大荒れという予報だったのです。 そのため、夕食前に自転車を分解してトラベルケースに収納したのです。 7月の北海道で台風に遭うとは思ってもみなかったのですが、 来てしまったものは仕方ありません。


4日目の夕食は初日と同じ花咲蟹になりました。 他のメニューも美味しかったのですが、やはり蟹はインパクトがありますね。 この日の宿泊客は私一人だけで余裕があったからということで、 蟹を食べ易く解体してありました。 花咲蟹は解体する時にはトゲトゲが痛いので、これは助かりました。