2005/07 北海道 霧多布 - 3日目

3日目は天気が良くなる予報だったので、 「北太平洋シーサイドライン」 の一部、道道123号線を厚岸まで走りました。 海岸沿いの台地を通る道で、予報通り天気も良くなり、とても気持ち良く走ることができました。


3日目の朝、霧はあまり濃くなくて比較的はっきりと湿原が見えました。


朝食は前日とほぼ同じ内容ですが、 連泊者には、じゃがいものソースを使ったパスタの代わりにスープが出されました。 朝食は午前7時から用意できるとのことだったので、 8時に出発できるように、7時に用意してもらいました。


道道123号線は宿から少しの間は台地の上を通っているのですが、 火散布(ひちりっぷ)は海沿いの漁村なので、一旦台地から下ることになります。 台地の上では霧は出ていなかったのですが、火散布の中心部、 漁港のある付近には海から霧が流れ込んでいました。


火散布の漁港は霧に包まれていました。 気温も低く、冷蔵庫の中のような感じでした。


火散布から次の漁村、藻散布(もちりっぷ)の間には 「散布トンネル」 があって、 台地に登らずに行けるようになっていました。 長さ500mほどあり、車が頻繁に通るみたいだったので、歩道を通りました。 歩道は厚岸方面に向かって左側にだけありました。


道道123号線は藻散布を過ぎると、あとは厚岸の手前まで約20Km、ずっと台地の上を通ります。 アップダウンはあるのですが、急な坂は無く、気持ち良く走れました。 なお、この区間には集落が無いので途中で補給はできません。 補給は藻散布までに済ませておく必要があります。


道道123号線は鯨浜付近で浜中町から厚岸町に入ります。 その付近はかなり海に近いところを通っているのですが、 海から霧が霧が流れ込んでいました。 ここでは断崖が続く海岸線が見えるはずでしたが、 霧で波の音は聞こえるけれど海は見えないという状況でした。


鯨浜の近くで空を見上げると大きな猛禽類が円を描くように滑空していました。 尾が白いので 「オジロワシ」 のようです。 天然記念物に指定されています。


海から少し離れると海霧の影響はなくなりました。 少しずつ晴れ間が増えてきていて、走っていて気持ち良い天気になりました。 気温も海霧の影響がある場所と無い場所ではかなり違い、 写真のところでは少し汗ばむほどでした。 といっても、不快になる程ではなく、まるで高原を走っているような感じで、 とても気持ち良く走ることができました。


厚岸までの6割ほどの地点に 「あやめヶ原」 があります。 6月下旬〜7月上旬には 「ヒオウギアヤメ」 が一面に咲くことで有名です。 その時には 「あやめまつり」 が開かれ、かなり賑わうようですが、 7月下旬のこの日は駐車場に1台も車がありませんでした。 駐車場から岬まで舗装された遊歩道が続いていたので、 自転車を押して進みました。


「あやめヶ原」 の遊歩道には数ヶ所にゲートがありました。 馬の放牧をしている関係で設置してあるもののようです。 季節的に遅すぎたのでアヤメは少ししか咲いていませんでしたが、 ここの風景は素晴らしいものでした。 海は霧で覆われているけれど陸上は晴れているという絶妙なバランスが成り立っていて、 まるで雲海の上にいるみたいでした。 この最高の風景を一人占めしてしまいました。


「あやめヶ原」 から厚岸方面に走り出すと、すぐ 「草刈車」 に追い付きました。 このような草刈り専用の車両があったのですね。 初めて見ました。 刈った草はそのまま路肩に放置するみたいで、 通り過ぎた後には刈られた草の匂いが立ちこめていました。


道道123号線は厚岸市街の手前で台地から下ります。 この下り坂は標高120mほどから下るのでコース中では最も長い下りでした。 路面状態はとても良く、気持ち良く走れました。


厚岸市街では最初に厚岸駅に行ってみました。 駅舎は意外に大きかったのですが、1日に10往復しか列車が来ないので、閑散としていました。 午前11時半を回ったところだったので、そろそろ昼食をと思ったのですが、 駅前にはあまり良さそうな店が無かったので、 道の駅 「厚岸グルメパーク」 に行くことにしました。


道の駅 「厚岸グルメパーク」 は駅の裏手の高台にあります。 そのメインの施設が 「味覚ターミナル コンキリエ」 です。 この写真の向きからでは判りませんが、 厚岸特産の牡蛎をイメージした変わった形の建物です。


「味覚ターミナル コンキリエ」 のレストランで昼食を食べることにしました。 「かきづくし弁当」 にしようかとも思ったのですが、2500円はちと高過ぎなので、 無難に 「かきフライ定食」 にしました。 牡蛎臭さが全然無くて美味しい牡蛎フライでした。 新鮮だと臭くないのかもしれませんね。 ちなみに、写真を写す前にかきフライを1個食べてしまったので、 お皿の上がちょっと寂しくなっています。

食後は 「コンキリエ」 の屋上に上がってみました。 そこからは厚岸湖〜厚岸市街〜厚岸湾を見渡すことができました。 → ライブカメラ


厚岸の市街、厚岸大橋の少し手前(駅寄り)に 「厚岸漁業共同組合直売店」 があります。 楕円形の建物が特徴なのですが、ここの品揃えは道東一だそうです。 厚岸特産の牡蛎だけでなく、その他の魚介類も豊富に揃っていて、釧路の市場より上だそうです。 このことは宿に帰ってから聞いたので、 私は変な建物ということで写真を撮っただけで通過してしまいました。 なので、中の様子は判りません。


厚岸大橋や港の付近では、路上に貝殻がよく落ちていました。 サザエぐらいの大きさのものまであり、下手に踏むとパンクの可能性があります。 これは海鳥(主にカモメ)が落としていったものらしいです。


午後の最初は 「愛冠(あいかっぷ)岬」 に行きました。 岬への上り坂の途中には厚岸市街の眺望が良い場所がありました。 そこからは 「コンキリエ」 とは反対側から市街を見ることになります。


愛冠岬は厚岸市街の南側にあります。 岬は北海道大学の敷地になっているようで、 岬に通じる遊歩道の入口には 「北海道大学 アイカップ自然史博物館」 という表示がありました。 遊歩道は500mほどあり、自転車を押して進みました。


遊歩道はしばらく林の中を通っていますが、最後の100mほどは周囲が草原になりました。 そこまで来ると海からの霧の影響で急に気温が下がり、ウィンドブレーカーを着込みました。 駐車場の付近では薄日が射していて、暑いぐらいだったのが信じられないほどの気温の変化でした。


岬は80mほどの高さがあり断崖になっています。 霧のため視界が悪かったのですが、荒々しい風景が楽しめました。 しかし、海から吹き上がってくる風の冷たかったこと。 とても7月下旬とは思えない冷たさでした。


岬に着いた時、「エゾシカ」 の集団が去ってゆくのを見ることができました。 全部で10頭以上いたようです。 鹿の群を見たのはこの時が最初で最後でした。

厚岸市街までの往路はずっと道道123号線を走ったのですが、 帰りは一部別の経路を使ってみました。 といっても、林道を除くと道道123号線の他にはほとんど道が無いので、 厚岸市街〜床潭(とこたん)〜末広(まびろ)というように海岸沿いを走り、 後は道道123号線を戻ることにしました。

床潭(とこたん)は太平洋に面した漁村で、海からの霧に包まれていました。 綺麗に整備された漁港には昆布の干場があったのですが、 この霧では干しているところは見られませんでした。


厚岸市街から床潭までの道は2車線の良く整備された道でしたが、 床潭を過ぎると細い道に変わりました。 それでも舗装はされていたので自転車で走るには十分で、 車の通行が激減したので、かえって気持ち良く走れるぐらいでした。


末広に向かう途中、道路脇に木の枝に 「オジロワシ」 がとまっているのを見付けました。 すぐ逃げてしまうかと思ったのですが、 自転車を止めてカメラを取り出してもそのままでいてくれたので、写真を撮ることができました。 なかなかラッキーでした。 この道では、上の斜面に 「エゾシカ」 がいるのも見掛けました。


末広(まびろ)の漁港は床潭以上に濃い霧に包まれていました。


末広の後は海岸を離れ、台地の上を通る道道123号線に出て霧多布に戻りました。 台地の上の道道は海霧の影響は少ないと思っていたのですが、 帰り道は最後まで濃い霧の中で、来た時とは全く別の道のようでした。 100mほどしか見えないので、風景を楽しむこともできず、ただ走るだけになってしまいました。


帰りには浜中町に入ってすぐにある名勝 「涙岬」 に寄るつもりでいたのですが、 霧で何も見えないので、止めにして宿に戻りました。 駐車場から写真の歩道を500mほど歩くと、涙岬の見晴台があるそうです。 案内板によると。

この日の走行距離は約83Kmでした。


この日の夕食は鮭がメインでした。 昆布を細かく刻んだものが出たのですが、強い粘りがあって、御飯に良く合いました。

夕食前に風呂に入ったのですが、 その時、大きな失敗をしたことに気付きました。 かなり日焼けしていて、顔が下半分だけ赤くなっていていました。 涼しく快適だったので夜まで気付かなかったのですが、 確かに昼前は良く晴れていて、焼けて当然の天気でした。