2003/12 沖縄 - 3日目

3日目は沖縄本島最北端に近い国頭(くにがみ)村の奥(おく)まで走りました。 冬型の気圧配置になったため、曇で北風の強い天候になってしまいましたが、 初めての北部方面ということで、ひたすら強い向かい風に耐えながら走りました。 走行距離は約75Kmでした。


旅舎ファームハウスの朝食です。 アーサ(海藻の一種)汁が美味しかった。 やっぱり、沖縄の朝食には必須ですね。 食後にはコヒーも付きました。


ファームハウスを出発したのは9:00でした。 国道505号線に向かって坂道を下って行くと諸志の共同売店のすぐ近くに出ます。 今回のツーリングで見た共同売店で木造の瓦ぶきだったのはここだけです。 実は、とても貴重なものなのかもしれません。


国道505号線を外れて運天(うんてん)港のほうに向かう途中に 「今帰仁酒造所」 がありました。 泡盛の醸造所としては、かなり大きい方だと思います。 ここの代表的な銘柄は 「まるだい」 です。 沖縄には泡盛を作る醸造所が沢山あるので、 ツーリング中も裏道を通ると発見できることが良くあります。


国道505号線をずっと走っても面白くないので、運天(うんてん)港のほうに回り道しました。 運天港からは沖縄県最北の伊平屋(いへや)島、伊是名(いぜな)島、および、 古宇利(こうり)島へのフェリーが出ています。 フェリーが発着する時間ではなかったので、かなり淋しい感じの港でした。 伊平屋島、伊是名島は古い町並みが残っていて海もとても綺麗とのこと、 いつか必ず行ってみたい島です。

回り道から国道505号線に復帰した後は羽地(はねち)内海に沿って走り、 10:20ごろ名護市の仲尾次(なかおし)から国道58号線に入りました。 ここからは、だいたい北東に向かって走るのですが、 この日は強い北風が吹いていたので、左前からの向かい風に苦しめられることになりました。 ほとんどが海沿いを走るので、風だけでなく波飛沫も掛かる状況で、 サングラスや自転車のフレームに塩の結晶が多く付着したほどです。 ただ、これだけ北風にさらされながらも、 走っている間は半袖Tシャツ+長袖Tシャツで寒くないのは、さすが沖縄です。 この日の昼間の気温は20度弱だったようです。

仲尾次から40分ほど進むと大宜味(おおぎみ)村の津波(つわ)です。 ここには有名な 「前田食堂」 があるのですが、まだ11:00だったのでパスして先へ進みました。 前田食堂は 「牛肉そば(牛肉入りのモヤシ炒めを乗せた沖縄そば)」 と 「焼肉おかず(ニンニクの効いた焼肉定食)」 が人気だそうです。


国頭(くにがみ)村の直前まで来たところに 「カニ注意」 の標識がありました。 なかなか可愛い絵なのですが、車で走っている時にどう注意すればよいのでしょう? カニがいることにも気付かないような... それなりに人気のある標識みたいで、この前で記念撮影する人もいるみたいです。 なぜか、ここだけ路側帯が広くなっていて車も止められるようになっています。


12:00少し前に沖縄本島最北の村、国頭(くにがみ)村に入りました。 村に入ってすぐの地域が国頭村で最も栄えた地域になっています。 村役場もここから4Kmしか離れていない辺土名(へんとな)にあります。 それ以外の地域には小さな集落しかない感じです。


ちょうどお昼になったので、辺土名漁港の前にある 「波止場食堂」 に行きました。 いかにも田舎の大衆食堂という外観です。 店内はテーブル4つ、10席だけですが、外でも食べられるようになっていました。 この日は北風が強いので中で食べましたが、天気が良ければ外が気持ちよいと思います。 メニューは、そば、肉そば、カツ丼、やさい炒め、炒飯、... と多様です。 大盛り、濃い目の味付けが特徴です。


私が頼んだのはカツ丼(550円)です。 沖縄流というのでしょうか、カツの入った野菜炒めがどんぶり飯の上に山盛りになっていました。 甘辛の味付けで、思ったほど濃い味付けではありませんでした。 あまり上品なカツではないのですが、甘辛いたれがしみた衣が美味しかったです。 お椀のそばの入った汁はしょっぱかったけれど。 コストパフォーマンスは抜群です。


今回のツーリングで最初のトンネル、「新与那(よな)トンネル」 です。 新しくできたばかりのトンネルで右側にだけ歩道がありました。 かなり長さがあった(500m?)ので、右側に渡って歩道を走行して抜けました。 旧道は短いトンネルのようですが、完全に封鎖されていました。


新与那トンネルを抜けたところから見た海です。 旧道のトンネルが小さく写っているのが判りますか? 旧道は波を被るような道だったようです。 これでは封鎖されてもしかたないですね。

トンネルを抜けたところにある集落、与那(よな)で国道58号線を離れ、県道2号線に入りました。 西側の海岸沿いを淡々と走るだけでは面白くないので、 ここで峠越えをして、東側から奥に向かうことにしたのでした。


県道2号線は標高350mほどの峠を越える道です。 この峠が今回のツーリングの最高地点になるのですが、名前は無いようです。 山の中で北風が遮られているので、少し登るとすぐに汗だくに。 ここの登りでは長袖Tシャツは脱いで半袖Tシャツだけになりました。 たまにしか車が通らない静かな道で、 30分ほど登ったところからは小さな滝も見えました。


峠を越えて少し下ると 「普久川(ふんがわ)ダム」 です。 そして、このダムで出来た湖は 「フンガー湖」 です。 面白い名前ですね。

県道2号線はこのダムの少し先で県道70号線に突き当たります。 そこを左折して奥に向かいます。


東側を通っている県道70号線は、西側の国道58号線とは異なり、アップダウンを繰り返します。 特に前半は、海岸から少し離れたことろを通るので、平坦なところが全然無い状況でした。 海が見えるところがあっても、断崖絶壁になっていました。 写真は中間地点にある楚洲(そす)の集落の近くの様子です。 この先になると、海岸近くを通るようになり、アップダウンは緩くなりました。 良く整備されているのに車の通行はとても少ないようで、快適な道でした。


小さなアップダウンを繰り返した後、90mほどの低い峠を越えると奥に到着です。 集落に向かって下る途中で、海が見える箇所があり、 写真のように辺戸(へど)岬方面を見渡すことができました。

余裕があれば沖縄本島最北端の辺戸岬まで行くつもりでしたが、 奥に着いたのが17:15ごろだったので、断念して宿に向かいました。


この日の宿は国頭村の奥にある民宿 「海山木(みやぎ)」 でした。 集落の外れにあり、県道70号線が奥川を渡る橋から見えます。 この写真は橋から写したものです。 茅葺屋根の建物が食堂で、その奥に客室のある建物があります。 客室は(たぶん)4部屋しかない小さな民宿ですが、 囲炉裏のある食堂や、薪で焚いた風呂といった特徴があります。


海山木の夕食ですが、この日は豚をつぶしたとのことで、豚づくしの特別なメニューでした。 サラダともずくを除くと全て豚の中身(モツ)を使った料理でした。 左奥の煮物は血を使ってコクを付けているそうですが、 臭いということもなく、普通に食べることができました。 御飯は五穀を入れたものらしいです。

1泊2食付で5,000円でした。 とてもお薦めの宿です。