2003/12 沖縄 - 2日目

2日目は本部半島を縦断して今帰仁(なきじん)村の諸志(しょし)まで走りました。 今年の4月に走ったコースとの重複を少なくするために、 県道で内陸部を縦断するようなコースを選びました。 走行距離は約30Kmでした。


午前中は名護から伊豆味(いずみ)を経由して本部(もとぶ)まで行きます。 そのコースの場合、県道84号線を行くのが素直なルートですが、 前日にそば屋まで走った範囲では気持ちよく走れなかったので、 途中まで県道72号線を使うことにしました。 なお、県道72号線の起点までは国道449号線を2Kmほど走る必要があります。 国道449号線は採石場がある関係で異常にダンプの通行が多い道ですが、 歩道を走ることで我慢しました。 歩道は綺麗に整備されている部分が多いのですが、 一部は写真のような状態で、慎重に走る必要がありました。


県道72号線は車の通行がほとんど無く静かな道でした。 海沿いの起点から県道84号線と交差する標高120mほどの地点まで、 小さな川に沿って登って行きます。 回りの森には巨大な木生シダの 「ヘゴ」 も生えていて、 ちょっと山原らしく、良い雰囲気です。


途中、農家の庭で 「とっくりきわた」 の花が満開になっていました。 名護の市街地でも良く見掛けたのですが、もう半分散ってしまったものばかりで、 これほど綺麗に咲いているのはありませんでした。 花は子供の手を広げたほどの大きさです。 鮮やかなピンクの花で春爛漫という雰囲気ですが、これは晩秋の花なのです。 春になると長さ20cmほどもある大きな実が成り、 それがはじけると綿毛のある種が風に舞うそうです。


県道72号線から県道84号線に左折してからは、 少しだけ登った後、伊豆味(いずみ)に向けて下りになります。 伊豆味はみかんの産地で、沢山の実を付けた木をあちこちに見掛けました。 直売所も多くありましたが、大きな袋に入れて売っているので、購入は断念しました。 沖縄のみかんは見た目は悪いのですが、味はとても良くて美味しいです。

伊豆味を走っている時に一時的に雨になり、木の下で雨宿りをしました。 路面が完全に濡れ、部分的に水溜ができる程度の降りでしたが、20分ほどで止みました。 この日の天気予報は曇で午前中は所により雨だったので、予想していてことでした。 ここまでは。


伊豆味からは低い峠をひとつ越えると本部(もとぶ)までは下るだけです。 本部では、「きしもと食堂」 が開店する11:00まで少し時間があったので、 街中をぶらぶらしました。


「きしもと食堂」 は木灰を使った手打のそばで有名です。 本島北部で一番有名なそば屋と言えるかもしれません。 本部町の渡久地(とぐち)の市場の向かいの 「仲宗根ストアー」 のすぐ裏にあります。 土日には行列ができるほどの混雑ということなので、11:00の開店直後に行きました。 その時間だと、客は数組だけで、ゆったりと食べることができました。


「きしもと食堂」 は食堂といってもメニューはそばの大と小のみです。 私は当然にように、大(600円)にしました。 腰のあるしっかりした麺とあっさりしているけれど鰹の風味が効いた出汁がとても美味しい。 さすがです。 でも、お肉はちょっと煮込み不足という感じでした。 それに甘めの味付けなのも好みではなかったです。 それが残念でした。

「きしもと食堂」 でそばを食べた後は 「新垣ぜんざい」 というのが定番コースなのですが、 「しばらく休業致します」 という札が下がっていて、閉まっていました。 残念です。


次に向かったのは本部町の山里(やまざと)の丘の上にあるピザと喫茶の店 「花人逢(かじんほう)」 です。 この先に店があるんだろうかと心配になるような、細くて急な坂道を登った先にありました。 標高100mほどの丘の上で、とても素晴らしい眺望を楽しむこともできます。 ここも人気の店で、12:00ごろ入店したところ、ほぼ満席になっていました。 私はタイミングが良かったらしく、待たずに席を確保できたのですが、 帰る時(13:10ごろ)には待ち行列が出来ていました。


ここでは、アイスティー、サラダ、ピザの小を頼みました。 ピザは直径25cmほど。 ちょっと多いかなと思いましたが、予想していたより美味しく、あっさりと食べ切りました。 サラダはかなりボリュームがあって、二人でシェアしてちょうど良い感じで、 一人では持て余しぎみでしたが、なんとか完食しました。 以上の3品で1890円でした。 なかなか気持ちの良い店で、とても満足できました。

花人逢で食事中に前線が通過したらしく、 真っ黒な雲が近付いて来たと思ったら、かなり強い雨が降りました。 風も一時的に強くなり、縁側の席から屋内に避難したほどです。 この前線の通過は、自転車で走行中ではなかったので、タイミング的には良かったのですが、 通過後も雨は止まず、結局、夕方まで降り続いたのでした。 そのため、午後は雨具を着込んでの走行になりました。


午後は県道115号線で標高190mほどの低い峠を越え、 「今帰仁城(なきじんぐすく)跡」 に行きました。 石垣の長さは1.5Kmほどあり、首里城に次ぐ規模だそうです。 特に加工していない自然石を積んだ石垣なのですが、 優美な曲線を描く造型が素晴らしいです。 高さ70mほどの断崖の上に築かれていて要塞のようですが、 天気がよければ、眺望も素晴らしいはずです。 世界遺産に登録されています。 観覧料として150円が必要です。


今帰仁城跡から宿に直行すると少し早すぎたので、 今帰仁城跡から下る道が国道505号線に突き当たるところにある今泊(いまどまり)の集落をぶらぶらしました。 観光ポイントがある訳ではないのですが、 綺麗なフキギの並木もあって、良い雰囲気の集落でした。


この日の宿は今帰仁村の諸志(しょし)にある 「旅舎ファームハウス」 でした。 諸志の集落内ではなく、国道505号線から山側に600mほど坂道を登ったところにあります。 本来は男女別相部屋制の宿なのですが、宿泊客が2人だけだったので、1人1部屋を使えました。 自家製の野菜や周辺の山で採った野草を使った料理が美味しかったです。 御飯はウコン入りのちょっと黄色いものでした。 食堂の棚にある何十種類もの果実酒、薬用酒の瓶も圧巻でした。

1泊2食付で4,700円でした。 お薦めの宿です。