2002/10 沖縄 西表島 - 節祭

祖納(そない)と干立(ほしたて)の節祭(しち)は、 旧暦の己亥(つちのとい)からの3日間に行われるお祭りで、 ミルク行列や奉納芸能などが行われ、今年の豊作を感謝し、来年の実りを祈願します。 国の重要無形民俗文化財に指定されています。 今年は、9月28〜30日に行われました。 この2日目に行われる世乞い(ゆーくい)の神事を見学しました。 お祭りは2つの集落で別々に行われるのですが、 自転車を使い何度か往復しながら、両方を見学しました。 ちょっと無理がありましたが...

祖納


集落内に節祭挙行の掲示がありました。 右は公民館の前で行列が出発する準備中のところです。


公民館をミルク行列が出発します。 ミルク様は八重山独特の来訪神で弥勒が変化したものです。 中国大陸南部から伝わったものらしく、台湾やベトナムにも似たような仮面があるそうです。 日本の弥勒菩薩とは全く違うお顔をしています。


祖納のミルク行列は三線、笛、太鼓を従えています。 集落内を練り歩き、30分ほどかけて海岸に向かいます。


行列が海岸に到着すると、船を海に浮かべ、櫂の手(やふぬてぃ)が行われます。


ミルク様が入場し、中央のテントに設けられた席に着きます。


最後にアンガーが入場します。 アンガーの先頭の2人は黒い布を頭から被っていますが、 フダチミと呼ばれ、祖納独特のものです。


舟漕ぎ競争の様子です。 競争は2回行われ、 2回目には沖に浮かぶ 「まるまぼんさん」 の向うを回って来くるので、かなり長距離です。

海岸で行われる神事としては、この他に、奉納芸能も行われたはずですが、 その時間は干立にいたために見学できませんでした。 海岸での神事が終ると、再び行列で公民館に戻ります。

やはり祖納と干立の両方を見ようというのいは無理がありましたね。 神事のスケジュールの詳細は外部のものには判らない上、 毎年変わるので(潮の満ち引きに影響されるため)、 ちゃんと見るには、1日中張り付く必要があるようです。

干立


集落内にあった掲示です。 会場になる海岸にはサバニが置かれていました。


干立でも公民館から行列が出発しますが、 会場になる海岸と公民館が隣接しているためすぐ着いてしまい、 練り歩くという感じではありません。 また、ミルク様はまだ現れません。
海岸での神事は、櫂の手(やふぬてぃ)から始まります。 干立では女性も参加して行います。


その後、すぐに舟漕ぎ競争が行われます。


舟漕ぎの後は、海岸そばの広場に会場を移して奉納芸能が行われます。 写真は奉納芸能の会場の祭壇です。 タマネギ形の石が祀ってありました。


奉納芸能として行われたアンガー踊りと棒術です。 この他に、ダードゥリッターや狂言が行われました。


干立のミルク行列は奉納芸能の会場で行われます。 ミルク様が現れるのはこの時だけです。 これは祖納と大きく違っている点です。


干立独特の 「オホホ」 です。 珍妙な格好をしていますが、一応、悪い神様です。 ミルク行列の最中に乱入して来て、 肩から下げた袋から出した札束を見せびらかしながら観客たちに取り入ろうとしますが、 この相手をしてはいけません。
ユーモラスな仕種とユニークさから、実は、干立の節祭で最も人気があるようです。


奉納芸能の最後の出し物、獅子舞です。 日本のというより中国のもののような感じです。 ダイナミックな動きを見せてくれます。