2005/06 北海道 美瑛 - 2日目

2日目は昨年秋に行くのに失敗した十勝岳温泉を目指すことにしました。 昨年秋の場合はなるべく裏道を通ろうとして道に迷ったので、 今回は安全確実なルートで向かうことにしました。

朝8:30ごろ宿を出発し、美瑛駅前のコンビニに寄って食糧飲料を調達し、 上富良野を経由して十勝岳温泉を目指しました。 上富良野の市街地を出ると十勝岳温泉の手前まで、 距離約15Km、標高差700mほどの区間で一切の補給ができないので、 十分な量を確保しておく必要があります。 ちなみに、上富良野のコンビニの位置が不明だったので美瑛で調達したのですが、 上富良野市街を通過した経路上にもあったので、そこで調達したほうが良かったようです。


美瑛から上富良野は国道237号線ではなく 「富良野平原広域農道」 を利用しました。 この道は名前から受ける印象とは違って丘を越えるアップダウンの多い道でした。 最難所はちょうど中間にある 「新星の丘」 を越える箇所で、結構な急坂でした。 といっても、「丘越え」 なので標高差は45mです。 その丘からの眺望はかなり良いはずなのですが、残念ながら、この日も風景は霞んでいました。


「富良野平原広域農道」 は何度かアップダウンを繰り返した後、 上富良野市街に向かって下って行きます。 ちなみに、美瑛が標高240mほど、新星の丘が標高300mほど、上富良野が標高210mほどです。


上富良野市街からは 「道道吹上上富良野線」 で十勝岳温泉を目指しました。 この道道の前半部分はとても良く整備された道でした。 車の通行はあまり多くなかったのですが、大型車が良く通ったので、歩道を走行しました。 歩道は綺麗なアスファルト舗装(車道の端より綺麗)で十分な広さがあり、 とても走り易くなっていました。


この道道には街路樹として 「蝦夷之小林檎」 が植えられていました。 まだ小さな木で植えたばかりという感じでした。 花はピークを過ぎて散った後の木が多かったのですが、 まだ綺麗に咲いている木もありました。


「道道吹上上富良野線」 の南側には自衛隊の演習場が広がっていて、数箇所にゲートがありました。 ちょうど演習をしてたようで、大砲を撃つらしき音が響きわたっていました。 その音は美瑛を出た時から聞こえていた(最初は何の音か判らなかった)ので、かなりの音量です。


「道道吹上上富良野線」 は後半になると本格的な登りになりました。 勾配は平均8%ほどで、時々休憩しながら登りました。 歩道は無くなりましたが、車の通行は少なく、車に悩まされることはありませんでした。 ところが、多くの虫(蝿?)に付きまとわれるようになり、 新緑に囲まれた道なのに気持ち良く走ることができませんでした。 このようなトラブルは予想もしませんでした。


この日も天気が良くなく、なかなか山の姿が見えなかったのですが、 標高900mほどの地点まで登ったところで、やっと、富良野岳などが見えてきました。 山にはまだ多くの残雪があり、白黒のコントラストが綺麗でした。


標高1000mほどの地点で吹上温泉方面への分岐があり、その先は道幅が狭くなります。 12〜14%の勾配標識も現れるようになりました。 しかし、特別に急なのは一部だけで、平均すると8%強で今までの区間とあまり変わらず、 休みながらなら問題なく登れるレベルでした。 ゴールの十勝岳温泉まではあと3Km、標高差250m、もうひと頑張りです。


最初の14%の急坂を登りきると視界が開け、富良野岳が間近に良く見えるようになりました。 この道からの風景は素晴らしいです。 また、ここまで来ると虫はいなくなり、その点でも気持ち良く走れるようになりました。 周囲に多くの残雪が見られるようになり、気温がぐんと下がったためでしょう。


下界を見下ろした眺望もなかなかのものでした。 天気が良ければ上富良野の市街も見えるはずです。


標高1270mの地点で道路は行き止まりになり、そこに十勝岳温泉 「凌雲閣」 があります。 北海道で最も高所にある温泉宿として有名です。 まだ登山道は雪に埋もれていたので、 ここまで来る人のほとんどが温泉目当てのようでした。 ここに到着したのは13:30ごろ、上富良野から3時間半ほど掛かってしまいました。


はるばる標高差1000m以上を登ってきた目的が 「凌雲閣」 の露天風呂です。 露天風呂(男性用)は内湯(巨大な岩がある)を通り抜けて行くようになっていました。 細長い浴槽が前後2つあり、写真に写っているのは前側です。 前側が色が薄くて温く、後側が色が濃くて熱いお湯になっていました。 露天風呂からの風景は文句なく絶景でした。


「凌雲閣」 の玄関前からは十勝岳の噴煙がはっきりと判りました。 これから、その十勝岳を間近に望む 「望岳台(ぼうがくだい)」 に向かいます。 まずは標高1000mの地点まで下るのでウィンドブレーカーを着込んで出発しました。


標高1000mの分岐を右折して吹上温泉方面に向かいました。 標高1050mほどまで登り直した後、再び標高1000mまで下ったところに吹上温泉があります。 有名な露天風呂は駐車場に10台ほど止まっていたので混雑していたことでしょう。 確認はしていませんが。 混雑する、見物人が多い、湯温が高くてのんびり入れない、おまけに盗難が多いということで、 私はあっさり通過しました。

吹上温泉の先は標高900mほどの所まで一気に下った後、しばらく水平に進みます。 その区間では森林が途切れて荒涼とした風景が広がりました。 十勝岳の土石流等が流れ下った痕のようです。

水平区間が終わり、標高870mまで下った所に 「望岳台」 の入口があります。 そこから標高930mまで登り直しになります。 「望岳台」 からは十勝岳が間近に見えるのですが、 残念ながら雲が掛かっていて、昨年秋に見た時のような迫力を感じませんでした。


「望岳台」 から白金温泉までは快適な下りです。 白金温泉の標高が630mほどなので、標高差は300mになります。 「望岳台」 には多くの残雪があったのですが、白金温泉まで下ると無くなりました。


白金温泉からは道道で美瑛市街に直行するのではなく、 「白金模範牧場」 を回ってゆくことにしました。 途中で美瑛川を渡ったのですが、上流部なのに川幅があって、ちょっと意外でした。 川を渡った頃から雨が降り出したのですが、あまり強くならなかったので、 ウィンドブレーカーだけで雨具は着ないで済ませした。


「白金模範牧場」 に着いても雨は止みませんでした。 どんよりした雲が空を覆い、薄暗く、風景を楽しむ状況ではありませんでした。 天気が良ければ素晴らしい風景だろうなあ、とは判りましたが。


「白金模範牧場」 からは置杵牛(おききねうし)を経由して美瑛市街に戻りました。 置杵牛までは落葉松の森の中を抜ける、割と急な下り坂の道でした。 車の通行はほとんど無く、なかなか良い雰囲気の道でしたが、 路面が荒れていて、注意して走る必要がありました。


置杵牛は水田地帯が細長く延々と続いていました。 そこを真直な道路が通っています。 勾配は緩くて漕がないと速度が落ちてしまうぐらいでした。

宿には午後6時半ごろ帰着しました。 その時間でも十分に明るいのは、夏至が近いこの時期ならではです。 午後5時には暗くなってしまう紅葉シーズンとは大違いです。


夕食は洋風のとんかつがメインで、 レモンを絞って、あっさり味で頂きました。