2005/06 北海道 美瑛 - 1日目

初日は昨年秋と同様に朝の便で旭川空港に飛び、昼前から美瑛を走りました。 まずは足慣しを兼ねて 「パノラマロード」 をメインに丘めぐりをしました。

朝の羽田から旭川のJAL便は旭川着が9:10と昨年秋に利用した時より35分早くなっていました。 しかし、空港から美瑛方面のバスは都市間バスが空港に寄る形式で、 飛行機の運航時刻が変わってもバスの時刻は変わらないので、 今回は待ち時間が約1時間になっていました。 せっかく早起きして出かけてきたのに、 バス待ちで時間をつぶしてしまうのはもったいなかったので、 空港から美瑛の宿までタクシーで直行することにしました。 料金は3000円ほど掛かりましたが、10時前に宿に到着することができました。


今回も宿は 「ペンション POKROK」 を利用しました。 美瑛の市街地から少し外れた林の中にあるペンションで、鮮やかな新緑に囲まれていました。 写真だけだととても静かなように見えますが、実は蝉の大合唱でかなりにぎやかなのでした。 「蝦夷春蝉」 という種類らしく、5月下旬ごろから鳴くそうです。

今回、自転車はトラベルケースに入れて事前に送付しておきました。 あとは軽い荷物だけ持てば済むので、重い荷物を運ぶ必要がないだけでなく、 搭乗時に荷物を預けたり受け取る手間も不要になり、気持ち良く移動できて好いです。 この方法を一度経験してしまうと、 なかなか自分でトラベルケースを引っ張って行く気になれないです。

別送しておいた自転車を受け取り、玄関先で組み立て、 余分な荷物を預け、11:30ごろに走り始めました。


宿の前の道(4線)を直進して美瑛市街を抜けると美瑛川に突き当たります。 そこから土手道に上がり、「四季の橋」 まで1Km強を走りました。 新緑の中を気持ち良く走ったのですが、途中で小雨が降り出してしまいました。 朝の天気予報で晴れ時々曇りと言っていたにしては雲が厚いなあと思っていたのですが、 どうやら悪いほうに外れていたようです。 強い降り方ではなかったので、そのまま昼食の店に急ぎました。


美瑛川を 「四季の橋」 で渡り、「新栄の丘」 方面に2.5Kmほど走ったところに 「四季の風」 という珈琲&手打ち蕎麦の店があります。 北海道産の玄蕎麦を自家製粉したものを使った十割手打蕎麦を食べられるということで、 最初の昼食として選びました。 建物はログハウス風のものですが、玄関で靴を脱いで上がるようになっていました。 6月の金曜日だからなのか、観光客は少なく、地元の人がほとんどのようでした。


ここで食べたのは基本の 「ざるそば」 の大盛りです。 写真ではずいぶん少なく見えますが、十分に満足できる量がありました。 饂飩並の極太も蕎麦だったのです。 しっかり噛んで食べる蕎麦という感じでしたが、なかなか美味しく頂くことができました。 大根おろし(かなり辛い)が付いていたのも良かったです。

ここには蕎麦だけでなく珈琲(サイフォン使用)やケーキもあるのですが、 十分にお腹が膨れたので、今回は蕎麦だけにしておきました。


ここの御主人はオーディオにも凝っているようで、 自作の真空管アンプとスピーカーでクラシックを流していました。 棚には多くのCDやLPが並んでいて、リクエストも可能だそうです。


昼食中に雨は止んでいました。 しかし、湿度が高くてちょっと遠くの風景は霞んで見えるような状態でした。 写真は 「四季の風」 のすぐ近く 「新栄の丘」 からの眺望ですが、 向かいの丘は霞み、大雪山、十勝岳は全く見えませんでした。 広さとか雄大さが感じられなくて残念なコンディションでした。 ちなみに、気温も25度ぐらいと高くて6月の北海道という感じではありませんでした。


畑は麦と牧草を除くと芽吹いたばかりか芽吹く前のことろが多く、彩りに欠けていました。 混雑を避けることを優先して華やかになる前の時期を選んだので、ある程度は覚悟していたのですが、 今年は雪が遅くまで残り農作業が遅れているそうで、その影響をもろに受けてしまったようです。 やはり混雑覚悟で7月上旬にしておいたほうが良かったかなと思ってしまいました。 まだ初日なのに。


「拓真館」 の近くの丘も十勝岳をバックに丘陵地帯を見渡すことができるポイントなのですが、 やはり霞んでいました。


「拓真館」 は観光バスが来ていて混んでいたのでパスし、「哲学の木」 のほうに行きました。 しかし、陽は射し込まず、背景はベタな雲で、ぱっとしませんでした。 手前の鮮やかな緑は麦で、まだ穂が出る前でした。


そのまま道なりに進むと、 「哲学の木」 の少し先で道は向きを変えて美瑛市街に戻るようになります。 そして、その戻る途中に 「水沢ダム」 があります。 昨年秋には水が無くて悲惨な姿をしていたのですが、今回は綺麗な姿を見ることができました。


そのまま道なりに進むと水沢ダムの先は谷間を通ることになるので、 左折して尾根上の見晴らしの良い道に移りました。 その尾根上を少し進むと 「三愛の丘」 があり、 そのちょっと先にソフトクリームが美味しい 「茶屋カーブ」 があります。 時刻は午後3時ごろ、休憩にちょうど良いタイミングなので寄ることにしました。


ここでは最初、ソフトクリームと珈琲を頼んだのですが、 「アフォガード」 なるものがあるということで、それに変更しました。 冷たいエスプレッソ珈琲にソフトクリームが入っているものです。 なかなか美味しかったのですが、個人的にはソフトクリームがもう少し多いほうが良かったかな。


「茶屋カーブ」 の前では八重桜が咲いていました。 ちょっとピークを過ぎていましたが、まだ綺麗な花がたくさん残っていました。


「茶屋カーブ」 のそばには水田がありました。 丘の上は畑ばかりと思っていたのですが、斜面に段々になった水田が作ってあり、 ちょうど稲を植え付けたばかりのようでした。 昨年秋に来た時には気付きませんでした。


「茶屋カーブ」 の先は少し進むと美瑛の市街に戻ってしまいます。 宿に戻るには少し早かったので、右折して美瑛川沿いの平地のほうに向かいました。


美瑛川沿いの平地に入ると、正面に十勝岳がうっすらと見えてきました。 夕方になって少し視界が良くなってきたようです。 残雪による白い模様がちゃんと判るぐらいになりました。 しかし、残念ながら、写真に撮って綺麗というほどクリアにはなりませんでした。


美瑛川沿いの平地ではグリーンアスパラが収穫期を迎えていました。 ちゃんと見ないと荒地のような感じの畑なのですが、 あちらこちらでグリーンアスパラがにょきにょきと生えていました。 グリーンアスパラは農家にとって春の貴重な収入源なのだそうです。


「日の出橋」 で美瑛川を渡りました。 美瑛川は雪解けと雨のせいで水量が多くなっているようでした。 十勝岳がくっきりと見えたら綺麗だったようですが、かすかに見える程度でした。

この後、尾根を越え、隣の谷を下る道で美瑛市街に戻りました。 車の通行が少なく快適な道でした。


市街に戻る途中、農家の前で綺麗な花が咲いていました。 「蝦夷之小林檎(えぞのこりんご)」 のようです。 花は真っ白なのですが、蕾は赤くて、なかなか可愛い花でした。


市街に戻る前に寄り道した 「新区画ダム」 の公園ではつつじが満開になっていました。 種類は不明ですが、同じ花を民家の庭先でも見掛けました。


道端ではどこでも 「たんぽぽ」 を良く見掛けました。 といっても、多くは花が終わって綿毛になっていました。 これも沢山集まっていると綺麗でした。


宿には午後6時すぎに帰着しました。 夏至に近いこの時期は日没が7時すぎなので、まだまだ十分に明るいです。 部屋は屋根裏風の3階を利用することになりました。 滞在中に満室になる日がある関係で一人利用の私がこの部屋になったのですが、 意外に広くて快適に利用できました。


夕食は地元素材を生かした美味しいコース料理です。 ちなみに、この日のメインは鶏肉で、 スープは旬のグリーンアスパラを使った冷たいスープでした。