2003/10 石垣島 - 1日目:とりあえず川平へ

石垣島には11時ごろに到着したので、まず荷物をホテルに預け、昼食を食べてから、 島一番の観光地である川平(かびら)まで走ることにしました。 川平は石垣市街から20Kmほどで、午後から回るのにちょうど良い距離です。


石垣空港に到着したのはこの日ではありませんが、 まず最初に紹介しておきます。

石垣空港は石垣市街中心部から4Kmほど(直線距離なら3Km)のところにある便利な空港です。 バスは飛行機の発着に合わせて1日に19便(2003年10月現在)が運行されていて、市街まで200円です。 タクシーも多く待機しているので、待つことなく乗れて、市街のほとんどに1000円以下で行けます。 しかし、自転車で走ってもすぐ着いてしまう距離なので、 雨天時や荷物が多いのでなければ自走するのが良いと思います。

石垣空港は地方空港としては異例の1日に60便もの発着数がありますが、 滑走路はジェット機が離着陸するために必要な最低限の長さ(1500m)しかありません。 着陸時の急制動が名物になっているほどです。 しかし、市街に近いために拡張が難しく、騒音問題もあって、新空港の建設が計画されています。 反対運動も根強く、実現までは多くの時間がかかりそうですが。

石垣島で利用したホテルは 「スーパーホテル アビアンパナ石垣島」 です。 市街の中心部に近く、新しく綺麗なホテルです。 客室の雰囲気はビジネスホテルですが、 ワイドベッド(幅150cm)とちょっと大きいバスルーム(ユニットバス)が特徴です。 禁煙室ルームがあり、ネットでも予約できます。 朝食付きで1泊6,600円(税別)でしたが、料金は日によって細かく変わるようです。

ホテルに荷物を置いてから最初に向かったのは 「辺銀(ぺんぎん)食堂」 です。 餃子と炸醤麺が美味しい店とのことなのですが、 なんと 「出産と育児のためしばらくの間お休み」 でした。 手作りの 「石垣島ラー油」 も入手できませんでした。 残念!


そこで八重山そばの店で一番有名な 「丸八そば屋」 に向かいました。 ホテルから自転車でも5分ほどのところなのですが、 うっかり地図をホテルに預けた荷物の中に入れたままにしまったため場所が分からず、 無駄に探し回ってしまいました。

ここで食べたのは 「八重山そば」 の中。 細麺に鰹の出汁が効いた美味しいそばで、飽きのこない堅実な味という感じです。 量は少なめで、そば屋の梯子をするのに良いサイズでした。


次に向かったのは 「キミ食堂」 です。 こちらは珍しい味噌味のそばで有名な店です。 ここで食べたのは勿論 「味噌そば」 です。 自家製の宮古味噌を使った黒っぽい色のスープとたっぷりの野菜が特徴です。 味噌味の八重山そばを食べるのは初めてでしたが、なかなか美味しかったです。 ボリュームも十分でした。


石垣市街はちょっと裏道に入れば緑が豊かです。 御獄(うたき)や赤瓦の民家も多くあり、 その辺の路地を走るだけでも十分に楽しむことができます。

しかし、せっかくの良い天気に遠出しないのは勿体ないので、 島一番の観光地である川平(かびら)まで走ることにしました。 川平は石垣市街から20Kmほど、午後からでも十分に往復できる距離です。


まずは海沿いの道で 「観音崎」 に向かいました。 海沿いといっても海岸を通るのではないので、海は少ししか見えませんでした。 センターラインの無い所が多い細い道ですが、車の通行はけっこう多いようです。 市街から約5Km、20分ほどで到着です。 この付近には観音堂、唐人墓などの観光スポットがあり、土産物屋もありましたが、全てパス。 遠浅の海は干潮のために岩がごろごろ。 ちょっと休憩しただけで先へ進みました。


道なりに進むと西海岸の幹線、国道79号線に合流するので、そのまま進みます。 観音堂から約5Kmで 「名蔵(なぐら)川」 の河口に掛かる 「名蔵大橋」 です。 この付近の県道79号線は整備状態が良く、自転車でも快適です。 森の中の道で、海はちらっとしか見えませんが。

名蔵川の河口付近は広い干潟になっています。 ちょうど干潮だったので多くの人が潮干狩りをしていました。


名蔵大橋を越えて少しすると県道79号線は 「名蔵湾」 の海岸を通るようになります。 これまでとは対照的に海を間近に感じながら走ることができます。 しかし、ここも干潮で茶色っぽい砂地が露出していて綺麗でなかったのが残念です。 遠浅の海の場合はしかたのないことですが。


名蔵湾の北端まで来ると県道79号線は海を離れて山越えの道になります。 山越えといっても最高地点でも標高50mほどしかありませんが、 川平までのコースでは最大の難所です。 ここでは道路の右側にある広い歩道を走りました。 車の通行はあまり多くはないのですが、時々観光バスが通るので、 その排ガスを避けるためにも歩道走行がお薦めです。 県道79号線は、川平までの区間、かなりの区間に歩道が整備されています。 幅が広いので自転車でも快適に走ることができます。 ただし、片側(山側)だけです。


ピークを越えて少し行くと県道79号線は米原方面に右折し、 直進の川平方面は県道207号線になります。 その分岐の先は 「ヨーン」 と呼ばれています。 夜のように暗いところからきているそうですが、 上下線が分かれ深い森の中の道は本当にそんな感じです。

なお、この写真は帰路に撮ったので石垣市街に向かう車線のものです。 川平方面に向かう車線には歩道はなく、とても狭い道になっています。 途中で車に追い付かれないようにタイミングをみはからって突破する必要があります。 でなければ、反対車線(写真の道)の歩道を使うのが良いでしょう。


県道207号線を突き当たりまで行き、右折すると川平公園です。 公園からは写真のように川平湾を見ることができます。 ちょっと雲が多くて海の色が冴えませんが、それでも綺麗です。 川平湾は流れが速いので遊泳は禁止されていますが、 グラスボトムボートが多数運行されていて気軽に水中の景観を楽しむこともできます。

ここではブルーシールのソフトクリームを食べて少し休憩し、来た道を引返しました。 往路は寄り道なしできたので、復路はあちらこちらに寄りながら帰ります。


最初は 「川平ファーム」 の 「coccala」 です。 県道207線のヨーンを越えたところに入口があり、 看板に従って激坂を登ると写真のようにテラスのある建物があります。 ここのメニューはパッションフルーツを使った飲物が2種類のみ。 100%果汁を水または牛乳で割っただけのものなのですが、 酸味と甘さが程よくバランスした濃厚な味でとても美味しいのです。 お土産用にジュース(100%果汁の原液)を買おうとしましたが、 残念ながら今年の分は売り切れてしまったそうです。 そこでジャムを購入しました。 濃厚な味なので少しづつ使うようにという注意書きがあり、美味しそうです。


次は 「マエタケ観光農園」 です。 県道79号線の山越えのピーク近くにあります。 ここでは各種のフルーツを食べることができます。 季節的に種類が少なかったのですが、「ドラゴンフルーツ」 にしました。 甘さと酸味は控えめですが、ジューシーでなかなか美味しかったです。 ちなみにサボテンの一種の実で、ここ数年で出回り始めたものです。 ここでは1個300円でしたが、空港の売店では400円前後しました。


おやつを食べた後は屋良部(やらぶ)半島の一周道路に向かいました。 最近になって一周できるようになったばかり道で、綺麗な海や牧場を見ながら走ることができます。 石垣島で最も風景の良い道と言えるかもしれません。 約15Kmの遠回りになり、アップダウンも結構ありますが、お薦めです。 まだ観光コースとしてあまり知られていないらしく、 車の通行が少なくて快適に走ることができました。


屋良部半島の北西端には御神崎灯台があります。 一周道路から600mほどの枝道を進んだところにあり、東シナ海を一望することができます。 川平とは違って断崖絶壁の荒々しい海です。

ここは夕日が綺麗なスポットだそうですが、ここから市街までは20Kmちょいの距離があるので、 自転車で来ている場合、ここで夕日を見てしまうと、暗くなってから長距離を走ることになります。 市街を除けば街灯は無いので、自分のライトだけを頼りに走るらなければなりません。 ということで、日没まで1時間ほどでしたが市街に向けて戻ることにしました。


御神崎での夕日はあきらめましたが、 石垣市街まで10Kmほどの名蔵湾沿いの県道79号線を走行中に素晴らしい夕日を見ることができました。 時刻は午後6時20分ごろでした。 遠くの島陰は西表島です。

思っていたより暗くなるのは早くて、この後、15分ほどで真っ暗になってしまい、 市街の手前7〜8Kmから自分のライトだけが頼りの走行になってしまいました。 まだ街灯の無い森の中の道なので本当に真っ暗になってしまい、 ゆっくり慎重に走るしかありませんでした。 ちょっと見積りが甘かったようです。