2004/12 鹿児島 - 2日目

2日目は天候が予報どおり回復したので薩摩半島を最南端まで走りました。


朝6時半ごろ、ホテルの窓から見た桜島です。 12月の鹿児島の日の出は午前7時すぎなので、まだ、明るくなり始めたばかりです。 予報どおり天気は回復し、晴れ間が広がっていました。 風がかなり強かったのですが、北西からの風で向かい風でなかったので、 予定どおり薩摩半島の最南端を目指すことにしました。


朝7時に部屋を出て玄関前で走る準備をしました。 泥除けの装着や各部の調整等で少し時間が掛かってしまい、 準備が整ったのは7:20ごろになってしまいました。 ちょうどその頃に陽が差し始め、朝日を浴びながらのスタートになりました。


市街を出てしばらくの間は埋立地の工場地帯を進みました。 日曜日だったこともあり、交通量は比較的少なく、恐い思いをすることもなく走行できました。 平川駅の近くまで南下したところで山側に右折し、指宿スカイラインの知覧ICへ向かいました。 知覧ICの標高は340mほどで、そこまでの行程はやや単調な登りでした。 その登りの途中では見晴らしの良い所はごく僅かで、 良いところからも桜島は霞んでいて、いまいちでした。


知覧ICから指宿スカイラインに入りました。 頴娃(えい)ICまでは鹿児島県の道路公社が管理運営する有料道路ですが、自転車でも通行できます。 知覧ICから頴娃ICまでの自転車の料金は20円でした。 指宿スカイラインは車の通行が少なく、ゆったり快適に走ることができました。


指宿スカイラインは標高500mほどの尾根上を通る道なので眺望を期待したのですが、 ほとんどの区間は木で視界を遮られていて、眺望が開けている箇所は僅かでした。 しかし、そこからの眺望はなかなかのものでした。


頴娃ICを過ぎ一般県道になった後も池田湖の付近まで 「指宿スカイライン」 と呼ばれているようです。 何故か有料区間よりも綺麗に整備されていて、登りの区間には登坂車線もありました。 ただ、直線的な登りが続き変化に乏しかったので、雰囲気的にはいまいちでした。 無料区間の最高地点近くに 「千貫平」 という展望台があり、 そこからは素晴らしい風景を楽しめました。


「千貫平」 を過ぎると道は池田湖方面に向かって一気に下っていました。 その途中からは、これから走る開聞岳方面の展望が開けていて、 素晴らしい風景を楽しめました。


池田湖は周囲15Kmほどのカルデラ湖で、九州最大なのだそうです。 体長2mにもなる大鰻と 「イッシー」 が有名です。 土産物屋の前にはイッシーの像があって、観光客が群がっていました。 今でも人気があったんですねぇ。 湖畔を走行中に予報にない雨がパラついてきたので、 私はささっと通過してしまいました。


池田湖付近で12時を回っていたので、 開聞町の中心部に下ったところで昼食にすることにしました。 ちょうど 「↑そばの館」 という看板があったので、それに従って進むと、 かなり坂を登ったところに 「そばの館 皆楽来(みらくる)」 という店がありました。 蕎麦打ちの体験ができる施設で、開聞町が運営しているようです。 もちろん、食べるだけでもOKでした。 開聞町は旧くからの蕎麦の産地なのだそうで、 ここでは町内産の蕎麦粉を使っているらしいです。


町営だけあって値段は安く、私が食べた 「かけそば定食」 はおにぎり2個付きで450円でした。 残念ながら、味の方はいまいちでした。 もさもさした食感で腰がなく、5cmほどの短さに切れてしまっていました。 出汁のほうはなかなか美味しかったです。


昼食後は開聞岳をぐるっと回る計画で、まずは西側の海岸に出ました。 前夜からの強風の影響で海はかなり荒れていました。 波飛沫が海岸の道路まで飛んで来ていたので、写真を撮ってすぐ退散しました。


開聞岳の周回道路はほとんどが松林の中を通っていました。 開聞岳と海を見ながらと期待していたのですが、どちらもほとんど見えませんでした。 車はほとんど通らず、波の音は聞こえたので、それなりに気持ち良く走ることはできましたが。


開聞岳周回道路の東側は何故かトンネルになっています。 このトンネルは照明が無く、あかり取の縦穴が何箇所も明いているという不思議な構造でした。 トンネルはかなり長く坂になっているのですが、下り方向だったので楽に通過できました。 しかし、路面が荒れていたので注意して走る必要がありました。


開聞岳の東には川尻という集落があり、そこの家並みはちょっと良い感じでした。 もちろん、開聞岳は間近に見えます。


その川尻の集落を抜けると 「国民宿舎 かいもん荘」 に到着しました。 ここの男性用露天風呂は開聞岳を見ながら入浴できるということなので、 立ち寄ることにしたのでした。


前日の雨の影響で露天風呂は温いということだったのですが、 せっかく来たので入ることにしました。 内風呂で暖まってから露天風呂に出て見ると、 注ぎ口の付近なら十分な温度だったので、開聞岳と海を見ながらの入浴を楽しめました。 ここは3つの源泉からお湯を引いて混ぜて使用しているようです。 注がれているお湯は透明に見えましたが、 浴槽の中のお湯は赤茶色の濁り湯(透明度は15cmほど)でした。 露天風呂は先客がいたので写真はありません。 料金は500円でした。


温泉の後は薩摩半島の最南端の長崎鼻に向かいました。 その途中からも開聞岳の美しい姿を見ることができました。


長崎鼻では先端まで歩いて行けるようになっていたので、 自転車を止めて灯台まで散策しました。 通路は灯台の先の岩場まで延びていましたが、 SPDシューズで濡れた岩場を歩きたくなかったので止めておきました。 ここは薩摩半島の最南端ですが、 大隅半島のほうが南まで伸びているので九州最南端ではないのでした。


次に向かったのは 「山川町天然砂むし保養所」 です。 これがすごいロケーションにあって、 激坂(20%ぐらい?)を下り、 波飛沫をあびる海岸の道(海水の水溜もあり)を進んだ先だったのでした。


難所を越えた先に 「山川町天然砂むし保養所」 の建物がありました。 到着は16:30ごろでしたが、ここの営業時間は17:00までなので、ぎりぎりで間に合った状況でした。 駐車場には10台ほど車が止まっていて、時間の割りに賑わっていました。


通常は砂蒸し入浴はこの写真の砂浜で行うのですが、 残念なことに、この日は波が強いので利用できず、 堤防上に作られた施設内での入浴になってしまいました。


浴衣姿で砂の上に横になると、担当のおばさんが4人がかりで砂をかけてくれました。 砂の深さは5cmほどしかなかったと思うのですが、意外にずっしりとしていました。 最初は温度にバラツキがあって部分的に冷たいところもあったのですが、 しばらくすると、じんわりと暖まってきて気持ち良くなりました。 波の音を聞きながら横になっているのは最高で、 15分ぐらいが良いと言われたのに25分近く入ってしまいました。 料金は800円でした。


日が暮れる中、山川駅を目指して走りました。 あまり夕焼けにはなりませんでしたが、それでも開聞岳は綺麗でした。


この日の夕食は山川駅前にある 「くり屋」 で食べました。 メニューの幅がとても広いのですが、 当店名物という 「かつおのたたき定食」 にしました。 生姜、ニンニク、葱、タマネギがたっぷりと乗っていて、なかなか美味しかったです。 元祖と自称するだけのことはありました。 ボリュームもたっぷりでした。


帰りは指宿枕崎線で山川駅から南鹿児島駅まで輪行しました。 ハンドルもシートビームもそのままの手抜き折り畳みで車内に持ち込んだのですが、 シートビームが通路まではみだしてしまい、少し通行の邪魔になってしまいました。 山川駅と南鹿児島駅はどちらも小さな駅で、階段も少なく、輪行には便利な駅でした。 所要時間は70分ほどで、ホテルには午後9時ごろに帰着しました。