2004/09 南会津サイクルトレイン(館岩コース) - 1日目

1日目は浅草駅から会津高原駅までサイクルトレインに乗車した後、 会津高原駅から旧道の中山峠(450mの登り)を越えて館岩(たていわ)村に入り、 館岩川に沿って田園地帯を駈け抜け、前沢集落の曲家を見学し、 宿泊地の木賊(とくさ)温泉に向かいました。


浅草駅から乗車する参加者の集合場所は墨田公園でした。 受付時間が6:30〜7:00だったので、私は練馬区大泉の自宅を4:40ごろ自走で出発しました。 この日の降水確率は高くて今にも降り出しそうな空模様でしたが、 自転車をそのまま載せるサイクルトレインに参加するのに輪行で行くのは虚しいので、 十分に余裕をもって自走したのでした。 途中で少し降られましたが雨具を使うほどではなく、無事6:15ごろに到着しました。 まだ少し早かったのですが、既にスタッフが来ていたので受付を済ませ、 近くのコンビニで昼食(電車内で食べる)と補給食、飲物を調達して、 参加者が集まるのを待ちました。


7:10ごろ全員揃って100mほど離れた浅草駅に向かいました。 利用したのは北側の小さな改札で、自動改札の脇の入口から入りました。 自転車を押して駅に入ってくる集団は、一般の駅利用者からは異様に見えたことでしょう。 改札からホームまでは2つの階段を登らなければならなかったので、 重い自転車の人はちょっと大変だったようです。


ホームに上がってみると、まだ1本前の電車が止まっていました。 サイクルトレインは7:43発なのですが、7:30発の特急 「けごん」 が出た後に入ってくるので、 それまでホームに並んで10分ほど待ちました。 このホームは特急専用のようで、一般の利用者は多くなく、 これだけ自転車を並べても邪魔になるような感じではありませんでした。


7:35ごろサイクルトレインが入線し、乗り込みました。 自転車は、 フラットバーハンドルのMTBを中心にボックスシートの網棚からフックで吊るして固定する形で、 その他はドア脇のロングシート部分に立てかけて固定する形で載せました。 ちなみに、東武鉄道からの要請で、そのまま載せる自転車の数が削減されてしまったそうです。


私の Air Glide にはドア脇が割り当てられました。 それもトイレの前で座席が無い所だったので、 ドア脇の手摺にシートポストをベルトで縛り付けただけでしっかりと固定できました。


会津高原駅には10:50に到着しました。 ここは福島県に入って最初の駅なのですが、浅草からの乗車時間は3時間を越えていました。 最近は長時間電車に乗ることが少なくなっていたので、3時間を越える乗車は少し疲れるものでした。 サイクルトレインは会津田島駅まで行くのですが、AコースとBコースはここで下車しました。


駅前で現地のスタッフが紹介され、すぐに出発の準備に入りました。 準備といっても、自転車はすぐに走れる状態で載せてきたので、 余分な荷物をサポートカーに積み、自販機で飲物を調達したぐらいで、すぐに出発になりました。 なお、駅に土産物等の売店があるぐらいで、駅前に商店はありませんでした。


写真は旧道の中山峠への入口で、駅の目の前にあります。 川沿いを通る国道352号線を横切り、奥に向かって走りました。


中山峠への旧道に入るといきなり登りになりました。 約7Kmで450mほどの登りなのですが、 最初の一部を除き、ほとんど一定の勾配で登って行く感じでした。 この旧道は一部が路面崩壊のため車両通行止めになっていた(自転車は十分に通行可能)ので、 車はほとんど通らず、私たちだけの貸し切り状態で走ることができ、 森の中のくねくね道を気持ちよく登ることができました。


登りではサポートカーが最後尾を走りました。 ギブアップした人はいつでもサポートカーに乗る(自転車も積む)ことができる体勢で、 初心者でも安心して参加できる仕組です。 ただ、すぐ後ろから 「乗れば楽できるぞ」 と誘惑しているようでもあり、 もう少し頑張ろうという気力を挫くようにも思われます。


2回の休憩を含めて1時間ほどで中山峠に到着しました。 ユックリコースという割には良いペースだったように思います。 峠には車を数台停められるほどのスペースがあって、そこで少し長い休憩になりました。 ここには先客がいて、女の子と犬が走り回っていました。


峠からは東側(会津高原駅方面)に眺望が開けていました。 あいにく雲が多い天気で視界が悪かったのですが、 天気が良いと噴煙を上げる那須岳まで見えるそうです。

峠からの下りはあっと言う間でした。 旧道の保守はほとんど行われていないらしく、路面状態はかなり悪く、 舗装の剥がれや砂利が溜った箇所が多くなり、かなり注意して走る必要がありました。


峠を下った後は上郷小学校の前で休憩になりました。 上郷小学校は現地スタックで案内係の渡辺さん(先生)の勤務校です。 ここでは差し入れの林檎をいただきました。 南会津でも林檎が作られていて、ちょうど今が収穫の時期ということです。 新鮮な林檎はとても美味でした。


上郷小学校の前には黄金色の田圃が広がっていました。 稲刈りの直前だそうです。

ここでの休憩の後は、館岩川に沿って田園地帯を走りました。 ゆるい下りが続き、気持ち良く走ることができました。


途中、自転車を置いて前沢集落を見学しました。 前沢集落は曲家が多く残っている集落です。 集落内は車両を乗り入れることができないので入口に駐車場が用意されています。 私たちも自転車をその駐車場に置いて集落内を見学しました。 最初は写真にある曲家資料館に行きました。 内部を見れるのは資料館だけです。


前沢集落にある曲家は資料館を除いて現在も民家として使われています。 このような建物を維持するのは大変なようで、茅葺でなくなっている家もありましたが、 とても素晴らしいものなので、なるべく長く残して欲しいものだと思います。


前沢集落入口の駐車場の近くに 「間見沢の清水」 がありました。 飲むことのできる清水なのですが、駐車場の下という良くない場所にあり、 あまり冷たくなかったので、いまいちな印象でした。


館岩川に西根川が合流する所からは西根川に沿って遡るように進み、 宿泊地の木賊(とくさ)温泉に向かいました。 今回利用した宿は民宿 「くすのき」 でした。 外観はちょっとくたびれた感じですが、中は綺麗でなかなか良い宿でした。 走行中は雨が降らなかったのですが、宿に着いた後は翌朝まで何度も降ったようです。 しかし、自転車は車庫に入れさせてくれたので、濡れずにすみました。

木賊温泉には共同浴場が2箇所あります。 民宿のそばにある 「広瀬の湯」 と川岸の露天風呂です。 露天風呂には洗い場が無いので、まずは汗を流しに 「広瀬の湯」 に行きました。 お湯は無色透明ですが、硫黄のような匂いが少しだけしました。 とても空いていて、私達のグループの貸切りのような状態でした。 ここは男女別の内風呂のみです。 有料(300円)なのですが、民宿で利用券が配られました。

次に川岸の露天風呂に行ったのですが、すごい混雑ですぐには入れない状態でした。 最初は出直そうかとも思ったのですが、 10分ほど様子を見たところで少し余裕ができたので入ることにしました。 ここのお湯は 「広瀬の湯」 とほぼ同じでしたが、 温度は高めで私は長く入ることはできませんでした。 温泉は浴槽の底から湧いていて、時々、気泡が出ていました。 お湯はなかなか良いのですが、 屋根や囲いのため外の風景はほとんど見えなくて解放感はいまいちでした。 あと、混雑がすごくて、落ち着いて入れないのが残念でした。


民宿 「くすのき」 の夕食は派手さは無いのですが地元の食材を使った美味なものでした。 秋はきのこの季節なので何種類ものきのこが使われていたのですが、 その多くは初めて食べるものでした。 魚は岩魚の塩焼と刺身でした。 岩魚酒も飲めました。 それから特別に熊肉の煮物が出されました。 これは特別なもので、ちょうど捕れたばかりだから出せたそうです。

夕食後は部屋で少し酒盛りをしたあと午後10時ごろに布団に入りました。 すごく健康的なBコースなのでした。