2003/06 岩手県葛巻の牧場に行こう - 1日目

1日目は東北新幹線のいわて沼宮内(ぬまくない)駅からスタートします。 まず、主に平糠川に沿った道を利用して小鳥谷(こずや)まで北上し、 そこから馬淵(まべち)川に沿った県道20号線で葛巻町に向かいます。 そして、標高1100mの 「袖山高原」 に登った後、 国道281号線で宿のある 「くずまき高原牧場」 に向かう計画です。 本格的な登りがあるうえに走行距離が約110Kmというハードな予定ですが、いざとなったら 「袖山高原」 をキャンセルして短縮すればなんとかなるだろうということで決めた計画です。


「はやて1号」 は9:40にいわて沼宮内(ぬまくない)駅に到着しました。 東北新幹線で最も速いタイプの列車なので東京からの所要時間は2時間44分です。 このツアーを1泊で実現できたのも新幹線開通のおかげです。 ただし、いわて沼宮内駅に停る新幹線は2時間に1本しかないので、使える列車は限られます。 行きは9:40着のはやて1号の他には考えられないと思います。

ちなみに、いわて沼宮内駅は、 新幹線駅の中で最も停車本数の少ない駅、 最も利用客の少ない駅だそうです。


いわて沼宮内駅は新幹線開業に合わせて立派な駅になりました。 といっても、目立っているのは駅に併設された岩手広域交流センター 「プラザあい」 で、 JRの駅舎は簡素なものです。 「プラザあい」 の1階に多目的ホールとコンビニが、 2階に広域観光物産コーナー等があります。 3階でJRとIGRいわて銀河鉄道の駅舎に繋がっています。 ここのエレベーターと新幹線駅構内のエレベータ、エスカレータを利用すると、 道路からホームまで階段無しで往き来できます。 自転車のように大きな荷物がある時には便利です。


駅前での準備風景です。 10:10ごろの写真で、おのさんの Greenspeed GTX を除きほぼ準備完了といった感じですが、 Greenspeed はやっと前輪の取り付けが終ったところのようです。 輪行時にはほとんどバラバラに分解してあったようで、 組み立てにはかなりの時間が掛かるようです。 ということで、走行準備ができた他のメンバーは Greenspeed が組み立てられてゆく様子(本邦初公開!?)を興味津々で観察したのでした。

結局、駅を出発したのは10:40、 すぐ隣のコンビニ(サンクス)で食糧/飲料を調達して本格的に走り始めたのは11:00になっていました。


まずは小鳥谷(こずや)まで北上します。 国道4号線を使うのが最短コースになりますが、 大型車の通行が多く、トンネルもあるので、なるべく国道4号線を避けるルートにしました。 沼宮内の付近では並行している裏道を通り、 御堂(みどう)付近の4Kmは他に道が無いようなので国道4号線を走りました。 国道4号から別れて 「御堂観音」 方面への道に入ると登り坂になりますが、 車の通行がほとんど無く、良い雰囲気の道になりました。


ところが、その道は 「御堂観音」 を過ぎるとダートになってしまいました。 適当な迂回路は無いようなので、そのまま先へ進むことにしました。 ダート区間の距離は1Km弱で、Birdyは3台ともなんとか登りきりましたが、 Greenspeed GTX のおのさんにとっては災難としか言えない道でした。 写真の箇所は砂利が少なく、Greenspeed GTX でも慎重に走らせればなんとかなったのですが、 少し進んだところで砂利が深くなり、スタックして進めなくなりました。 結局、かなりの距離を押して進むことになったのでした。 また、ねず吉さんの AirLlama は内装ギアのシフトワイヤーが切れてしまい、 最も重いギアしか使えないというトラブルに見舞われてしまいました。 その状態では押して進むしかなかったようです。 今回のツアーは多難なスタートになってしまいました。


ダート区間が終ると道はほぼ平坦になりました。 地図上での調査では、小鳥谷まで平糠川に沿った下り基調の道になります。 大きくうねる畑の中を奇麗に舗装された道が続いています。 直前のダート区間とは対照的に最高に気分の良い道です。


地図上での調査では想像できなかった風景が広がっています。 素晴らしいです。


少し進むと、小鳥谷まで下り基調のはずなのに、かなりの登りが現れました。 どうやら大志田ダムの建設に伴い道が変わったようです。 少し前から写真のような湖も見えていました。 事前調査でダム建設をしているのは判っていたのですが、 道がどのように変わったのかは不明でした。 GPSでも予定のコースから大きく外れているのが判り、ちょっと心配になったのですが、 地元の人によれば今の道を行けばダムに出るとのことなので、そのまま進みました。

ここで、ねず吉さんの AirLlama は内装ギアを中段に固定する応急処置が行われました。 タイラップとガムテープで固定したのですが、まきさんの手際の良さには感心しました。


ちょっとした峠越えのような道を進み、下った先に大志田ダムがありました。 そこに工事の解説用に作られた空撮写真が掲示してあり、道の謎が解けました。 新しい道は山側に大きく迂回するように作られていたのでした。 後でGPSのログで確認したところ、元々の川沿いのコースに比べて100mほど高い箇所を越えていました。 小鳥谷まで下り基調で楽なコースのつもりが大きな誤算でした。


大志田ダムより下流は、元通りの川沿いを下る道です。 しかし、回りの雰囲気は変わってきて、回りの山は高く、谷は狭くなりました。 この傾向は下るほど強まり、最後は絶壁に囲まれた深い渓谷になってしまいました。


結局、小鳥谷に着いたのは13:15になってしまいました。 実は、ここで現地参加の守口さんが待っていたのでした。 当初の予定の12:00着から大幅に遅れ、ひどく待たせてしまい申し訳なかったです。 おまけに、携帯の番号を聞いておかなかったので連絡も入れられないで...

小鳥谷では駅前のお店で昼食を調達し、 駅のベンチを借りて休憩しました。


小鳥谷からは馬淵(まべち)川に沿った県道20号線で葛巻町に向かいます。 小鳥谷を出発したのは13:50でした。 県道20号線は最初は広く奇麗な道でしたが、 少し行くと写真のような谷間の細い道になりました。 これで車の通行が少なければ良かったのですが、思ったより多いようです。 大型ダンプも多く走っていて、注意しながら走らなければなりませんでした。


県道20号線を6Kmほど走ったところで町境を越え葛巻町に入りました。 葛巻町の標識には牛の絵が書いてありました。

この町境の直前に採石場がありました。 どうやら、大型ダンプはその採石場までの間を走っているらしく、 葛巻町内では大型ダンプを見掛けなかったように思います。


県道20号線を進むにつれ、谷はだんだん広くなり、道も広くなりました。 特に国道281号線に合流する少し前までくると、 県道のすぐ脇を馬淵川がゆったりと流れ、良い感じです。 登り坂ですが、とても緩いものなので、快適に走ることができました。


国道281号線との合流地点に到着したのは15:25でした。 この時間から標高1100mの 「袖山高原」 を目指すと宿に着くのが遅くなってしまうので、 「袖山高原」 はキャンセルすることになりました。 疲労のため 「袖山高原」 は無理だと思っていた私はほっとしたのでした。 しかし、今から宿に直行してしまうと早すぎるので、 葛巻町の市街の少し先にあるという 「タカナシ乳業」 の工場まで行ってみることになりました。 そもそものきっかけが 「タカナシ乳業」 の牛乳なのですから。


工場は葛巻町市街の少し先にあるはずだったのですが、なかなか到着しません。 既にかなり疲労が溜っていて、思うようにスピードが出せないこともあり、 まだか、まだか、と思いながら走るようになっていました。 結局、県道20号線と国道281号線の合流地点から約10Km(市街中心からだと約7Km)も走って、 16:10に工場前に到着しました。 ここで記念写真を撮った後、来た道を引き返し、 宿のある 「くずまき高原牧場」 に向かいました。


「くずまき高原牧場」 は 「タカナシ乳業」 の工場からだと約30Kmの距離です。 県道20号線との合流地点までの10Kmは市街地を含む緩い下り坂の道、 その先の17Kmは谷間を徐々に登って行く道(国道281号線)、 そして、最後の3Kmは高原牧場に登る坂道です。 国道281号線は大型車が多いと聞いていたのですが、 この日はあまり多くなかったようです。 写真のように車がほとんど見えない時も多かったように思います。


国道281号線もなかなか良い雰囲気の中を通っています。 これで疲労が溜っていなければ、回りの風景も楽しめたと思うのですが、 残念ながら淡々と走るだけで精一杯な状況になっていました。 せっかくの風景なのに残念です。

高原牧場への入口にある 「道の駅 くずまき高原」 に到着したのは18:05、 既に営業は終っていたので、少し休憩した後、高原牧場への登り道に向かいました。 宿まであと3Kmですが、ここからは5%ほどの登りになります。 最後の難関ということです。 へろへろになりながら坂を登り、18:40に到着しました。

この日の宿は 「くずまき高原牧場」 の中にある 「くずまき交流館プラトー」 です。 7部屋しかない小さな宿ですが、奇麗で快適でした。 料金もリーズナブルで、かなり満足度の高い宿です。 夕食は宿の隣にある焼肉ハウスで牛肉、ラム肉、それに、フランス鴨で満腹に。 おのさんはジョッキ入りの牛乳を特注。 すごい飲みっぷりでした。 残念ながら食事の様子を写した写真はありません。 食べるのに忙しくて写真を撮るのを忘れていたので...