外装ギアを8速化する

BD-3 の 2002年モデルの外装ギアは、 11-13-15-18-21-24-28 という構成の7速になっています。 通常使う部分は 3T 間隔になっているため、「このギアだと軽いけれども次のギアでは重い」 という状況が多くあって、疲れる一因になっています。 そこで、少しクロスレシオ化することにしました。 ところが、スポーツバイクは9速が一般になっていて、 7速用の部品を入手するのは困難なようです。

何か良い手はないかと調べていた時に、 まきさんのサイト World Wide Watanabe Maki の中に bikeE 8速化 というレポートを見付けました。 bikeE と BD-3 は同じギアを使っているので、全く同じ方法で 8速化が可能です。 そこで、部品を取り寄せ、改造してみました。

カセットスプロケット
新しいカセットスプロケットです。 クロスレシオ化するという目的に合ったものを探したところ、 ロード系の ULTEGRA の 12-27T を使用することにしました。 12-13-14-15-17-19-21-24-27T という構成です。 なお、MTB系はワイドレシオ指向で目的に合いませんでした。 ロード用も ULTEGRA 以外は最も軽いギアが 25T までしかありませんでした。 峠で辛くならないように 27T はどうしても欲しかったのです。
カセットスプロケットの構成
カセットスプロケットの構成です。 左上から、ギアユニット(21-24-27T)、ギアユニット(17-19T)、スペーサー、ギア(15T)、 スペーサー、ギア(14T)、スペーサー、ギア(13T)、ツバ付きギア(12T)、ロックリング という構成になっています。 この構成からギアを1枚抜くのですが、ユニットになっている部分からは抜けません。 カセットスプロケットの選択の際には、どこがユニットになっているかに注意する必要があります。
7速のハブに取り付けるために9枚のギアから1枚抜くのですが、 途中のギアを抜くと、その部分で変速がスムーズにできなくなってしまいます。 当初は 14T のギアを抜いて使用したのですが、13T→15T の変速が困難になってしまいました。 ギアの歯の形は変速をスムーズに行なえるように、一部で形が違っています。 1枚抜いたために位置関係が合わなくなったのが原因と思われます。
ツバ付き13Tギア
変速の問題を発生させずに1枚抜くためには、両端のギアを抜く必要があります。 今回の場合、12Tギアを抜けば良いのですが、このギアは特別な形をしていて(ツバ付き)、 単純に抜くことはできません。 そこで、補修用部品として、ツバ付きの 13Tギアを取り寄せました。 13T(一般)と 12T(ツバ付き) を外して、これを取り付けます。
結局、ギアの構成は 13-14-15-17-19-21-23-27T になりました。 通常使う部分は 1〜2T 間隔です。
9速用シフター
スプロケットを変えた場合には、シフターも変える必要があります。 使用できるギアは8速しかありませんが、9速用のスプロケットを使っているので、 シフターも9速用でなければなりません。
元々付いていたシフターはグリップシフトですが、 操作の感触がいまいちだったので、ラビットファイアーに変えてみました。 ブレーキレバーのグレードに合わせて LX にしました。 このグレードだと SRAM のグリップシフトより安いようです。
9速用チェーン
チェーンも9速用に変える必要があります。
内装ギア制御ピンを抜く 抜いた内装ギア制御ピン
スプロケットの交換手順はマニュアル本に載っている通りで、ほぼ大丈夫ですが、 内装ギアの制御用のチェーンを外さないと作業が行い難いと思います。 チェーンはシャフトの中心にネジ込んで固定されているので、 反時計回りに回してやれば外すことができます。 取り付けも、その逆の手順でOKです。
装着した新スプロケット
新しいスプロケットを装着した状態です。 ロックリング外しの工具は、シャフトの無いタイプを使う必要があります。 シマノの TL-HG10 が使えます。 TL-HG16 は使えません。
装着した新シフター(右)
新しいシフターを装着した状態です。 ラビットファイアーのカチカチと決まる変速はとても良い感じです。 グリップも新しくなっています(交換が必須です)。 一定の太さなので、手が痛くなるのが減ったように思います。
装着した新シフター(左)
新しいシフターの左側を前側から見たものです。 SRAM の内装ギアをラビットファイアーで引けるのか、 ちょっと心配だったのですが、ちゃんと変速できています。 操作のフィーリングも上々です。

外装ギアをクロスレシオ8速化した後は、まだ、あまり多く走っていませんが、 「このギアだと軽いけれども次のギアでは重い」 という状況が無いので、 疲れ難くなったようです。 また、駆動系のグレードが上がったためだと思うのですが、 チェーンなどの音が静かになりました。 この改造はお勧めです。